逆流性食道炎の治療薬として、実際に病院で処方される薬として代表的なのが、「ネキシウム」です。

このネキシウムは、2011年9月15日に発売され、国内で4番目となるプロトンポンプ阻害薬に分類され、胃粘膜の壁細胞に作用して胃酸の分泌量を強力にコントロールします。

日本においては、イギリスの製薬会社であるアストラゼネカが製造・開発し、日本の製薬会社である第一三共株式会社により流通・販売されています。

胃酸の分泌を抑えるので、主に逆流性食道炎の治療に用います。他には、胃もたれ、胃炎 胃痛、慢性胃炎などの胃の不調や胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃酸過多が原因で起こる消化器系の病気の治療薬としても使われています。さらにヘリコバクター・ピロリ菌の除去補助として用いられています。

作用が強力なため数々の実績があり、発売以降毎年売上げを伸ばしており、逆流性食道炎や胃潰瘍などの治療では多くの医師に第一選択薬として選ばれています。

現在、逆流性食道炎の症状に該当する症状を訴え出た患者には、まずはネキシウムのみを処方する医師は多いです。

ネキシウムは一般名(成分名)をエソメプラゾールと言い、2011年に発売されたプロトンポンプインヒビター(PPI)と呼ばれる胃潰瘍、逆流性食道炎などに使用される薬の一つです。

以前より販売されていたPPIのオメプラゾールという薬を改良した薬です。

以前の薬であるオメプラゾールは、使う人によって効き目に差がありましたが、ネキシウムは、この個体間変動が少なくなりました。

ですから、薬を飲む人によって効き目が異なると言う事がなくなりました。また、従来の胃潰瘍や逆流性食道炎に使用される薬よりも早く効果が現れるとされています。

ネキシウムの即効性は、あくまでもプロトンポンプ阻害薬の中での話になりますので、ネキシウムを飲んだからといってすぐに効果が現れるわけではありません。

プロトンポンプ阻害薬が効果を発揮するには、胃酸で活性化される必要があり、その分だけ時間が掛かります。胃酸の分泌量をコントロールするので、既に分泌された胃酸には効果がありません。

それでも、服用から36時間経過すればプロトンポンプに作用して分泌量が強く抑えられるので、胸焼け、喉の圧迫感などは静まります。

また、効果を発揮するまでの時間がかかる分だけ効果が持続するようになっており、1日1回の服用で24時間は胃酸の分泌量を抑えることができます。

これまでのプロトンポンプ阻害薬より早く効き、抜群の安定感を発揮しますので胃酸分泌抑制薬の中では第一選択薬となっています。


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ネキシウムの作用と効果について

胃酸分泌の最終過程であるプロトンポンプに作用し、胃酸分泌を抑制します。

胃壁細胞内においては、各種酸分泌刺激物質が胃壁細胞膜上に存在するそれぞれの受容体へ結合することにより、一連の胃酸分泌反応がおこるとされており、この反応にプロトンポンプと呼ばれる酵素が関与しています。

ネキシウムは、このプロトンポンプと結合し、その働きを阻害することによって、胃酸分泌を抑制します。

また、胃酸分泌を抑制し胃内のpHを上昇させることにより、抗菌薬の抗菌作用を高める効果もあります。

ネキシウムの効果実績データ

ネキシウムの逆流性食道炎に対してよく効きます。

ネキシウムの臨床試験では、逆流性食道炎患者の治癒率は87.3%で、治験では、ネキシウムを飲んだ胃腸障害の患者189人のうち165人に病状を改善する試験データがあります。

また、逆流性食道炎が治癒した患者が半年間(24週間)の間、ネキシウムを飲み続けた臨床試験では、87.5%の患者が逆流性食道炎の再発を抑えられたという試験データがあります。

それだけ、ネキシウムは逆流性食道炎に治療において優れた薬であるからこそ、多くの医師が処方に使う様です。

逆流性食道炎に対する効果は87.5%〜92%とされており、同じPPIのオメプラゾールと比較して高い結果となっています。

 ネキシウム10mgネキシウム20mg オメプラゾール10mg
逆流性食道炎の非再発率87.5%92.0%82.7%

オメプラゾールに比べてネキシウムは長く体内に残ります。それにより薬の作用時間も長くなり、効果が持続するというメリットがあります。


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ネキシウムは胃酸抑制剤としては最強?

ネキシウムは2011年の登場から2015年まで最強の胃酸抑制剤新薬でした。

2015年からは、新薬タケキャブの登場によって、最強とは言い難くなりましたが、それでもタケキャブやパリエットに次ぐ代表的な胃酸抑制剤です。

ネキシウムは血中濃度がある程度維持されていないと、プロトンポンプ阻害作用が発揮されません。胃酸で活性化されないと効果を発揮しないので、活性化の時間だけ効果が出るまでに時間が掛かります。

それに対して、タケキャブは胃酸による活性化が不要のため、直接すぐにプロトンポンプを阻害できます。そのため、効果がすぐに出て、血中濃度がある程度薄くても効果を維持できる強みがあります。作用が強力で作用が長いという特徴を持っており、PPIとしては最強の薬です。

タケキャブが即効性があり誰にでも効きやすいのは間違いありませんが、個人差がありネキシウムの方が効くという方もいます。結局は、人によって薬の効きの感じ方は異なります。

強い胸やけを早く何とかしたいのであれば、タケキャブの方が向いています。

ネキシウムの副作用について

ネキシウムの副作用は個人差があり、出る人と出ない人に分かれます。一番多いのが軟便と下痢です。排便の調子は何もしていないのに悪くなりますので、長期に飲むことへのリスクは生じます。

代表的な副作用は以下です。

下痢

ネキシウムには軟便や下痢の副作用があります。下痢は薬を中止すれば改善するので心配ありません。下痢の副作用は、胃酸抑制剤にみられる代表的な症状です。

ネキシウムを飲み続ける限りは下痢は継続します。これは胃酸分泌の減少によって、消化機能に影響が出て便秘や下痢の症状が現れているものと考えられています。

胃酸というものは本来は身体にとって必要不可欠な存在です。それを過剰な胃酸が出るあまり無理やり薬で抑えてしまうわけですから、消化機能が正常に機能しなくなってしまうのも仕方ありません。

下痢にはなるものの、胸やけなどの辛い症状からは解放されるメリットの方が大きいのでネキシウムは飲みます。しかし、最終的にはネキシウムに頼らないようにする為の私生活面の努力は必要になってきます。


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胃の不快感

ネキシウムには胃の不快感の副作用があります。飲み始めて、ある程度の時間が経過してきたあたり、胃の不快感は出始めます。

胃が痛くなったり、違和感を感じたりしますが、それ程、きついものではありませんので耐えられます。それでも、胃に不快感は気になる程度に出ますので、胃腸炎、胃潰瘍など胃が荒れているのではないかと心配になる程です。

薬を中止すれば、胃の不快感は消えますので大丈夫です。

便秘

ネキシウムを飲むと便秘しやすくなります。便秘になると便が溜まるので、腹部に膨満感があらわれることもあり、朝1回で便が出なくなる場合があります。すると、昼に1回、夜に1回など1日のうちに便が2~3回に分けて出てくる場合もあります。

逆に便が出ない場合は便秘してガスが溜まり、逆流を助長して良くないです。便秘するとオナラが頻繁に出ます。

そうなってくると、上へ上へと空気は流れるので、逆流が起こりやすい状況となり良くないです。水分を多くとったり、野菜を積極的に食べる、ヨーグルトやヤクルトや酵素を摂るなど便秘解消の努力は必要です。

下痢になっても便秘になっても、大切なことは、水分補給です。下痢になると、体内の水分が排出されてしまうので、水分補給が必要です。

便秘になった場合は、便を出しやくすするために、便をゆるくする必要があります。そのために水分補給が大切です。ですから、下痢も便秘もネキシウムの副作用として、どちらも起きやすいので、いずれにせよ水分補給をしっかりと行うことが大切です。

骨を弱くする?

ネキシウムの長期服用により骨を弱くするリスクがある仮説が出ていますが、ネキシウムの服用で骨に影響を与えるという事実の根拠は実証されていません。

2011年に発売した薬であり歴史的にもまだ新しいので、確かな検証結果が出ておりません。ただ、骨を弱くするリスクがある仮説が出ていることは、頭の片隅置いておく必要があります。

その他

主な副作用として、下痢、肝機能異常、びらん性胃炎、腹部膨満、胃ポリープ、貧血、発疹、軟便、味覚異常などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれることが稀にあります。ただ、事例としては少ないです。

  • 呼吸困難、蕁麻疹、顔・くちびる・舌などがはれる
  • 体がだるい、発熱、鼻血・皮下出血
  • 吐き気や嘔吐、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる
  • 発熱、全身倦怠感、皮膚・眼・口内に発疹ができる・赤くなる
  • 発熱、咳、息切れ

ネキシウムの処方できる期間

逆流性食道炎の場合は通常、成人は1回1カプセル(20mg)を1日1回服用で、通常、8週間までの服用とされています。

ネキシウムは、いつまでも処方される様な薬ではありません。

8週と定められているのは作用が強いためです。9割の逆流性食道炎患者は、8週以内にネキシウムで症状が緩和されて、薬なしでも大丈夫な状態にまで治ります。

基本的に逆流性食道炎におけるプロトンポンプ阻害剤の服用は、8週を超えて飲み続けることができません。

しかし、実情は治らない患者も多数いますので8週を超えても症状が改善しない場合は、難治性逆流性食道炎と診断され、継続して薬を服用する維持療法に切り替わります。

再発・再燃を繰り返す難治性逆流性食道炎の場合はネキシウムの長期処方が可能です。基本的には8週とされていますが、治らない場合は8週を過ぎてもネキシウムを飲み続ける事ができます。

難治性逆流性食道炎と診断された場合は、治療は長期戦となります。半年~1年かけて、ゆっくりと症状を改善していきます。
それには、規則正しい生活が必要不可欠です。

難治性逆流性食道炎の方がいつまでも治らないでいるのは、大半が生活スタイルに何らかの問題を抱えています。

原因を突き止め改める事が治療の第一歩ですので、薬に頼りっぱなしになるのではなく、何がいけないのか考え直す必要があります。

タケキャブとネキシウムの違いは?

ネキシウムを8週以上使うとどうなる?

ネキシウムはプロトンポンプを阻害することによって持続的に胃酸の分泌を抑制します。そのため、新しくプロトンポンプが身体の中で作られない限りは胃酸を新たに分泌させることができなくなってしまうことになります。

そのため、長期にわたってネキシウムを服用し続けると胃の酸性度が低下しすぎてしまい、消化に影響が出てきてしまいやすくなります。

ネキシウムを長期で服用してしまったがゆえに、胃の機能が低下してしまったら元も子もありません。薬に依存せず、食事をコントロールするなどの努力は必要になってきます。ネキシウムに依存し過信して生活改善の努力を怠っていては、いつまでも逆流性食道炎から解放の兆しが見えてきません。

また、胃の酸性度が低下することによって医薬品の吸収性にも影響が出てきてしまうことが多くなります。


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ネキシウムの効果持続時間は?

ネキシウムは、服用後24時間胃内のPH(胃液の酸性度)をコントロールします。

服用は、食前・食後どちらで飲んでも問題はありません。また、朝・昼・夕方・夜などどの時間帯に飲んでも大丈夫です。

ネキシウムを服用するにあたり、食前や食後でないといけないという決まりはありません。空腹時であっても大丈夫ですので、もし食事も摂れないくらいの胸やけがありましたら飲んで大丈夫です。

飲む時間帯に決まりはありませんが、朝起きた時に胸やけが酷かったり、苦い水が上がってきている状況でしたら、夜寝る前に飲むのがベストであることは言えます。

決められた用量を1日のどこで飲んでも効果が得られます。ただし、飲めるのは1日に1回限りです。例えばネキシウムを朝飲んで、夜また胸やけがひどいからと、ネキシウムを飲んでしまうのはダメです。

ネキシウムを飲んでも効かない場合は?

タケキャブへの変更

ネキシウムは、プロトンポンプと相互作用するためには酸によって分解を受ける必要があるため、飲んでもすぐには効果が現れてこない側面があります。

その為、飲んでも効いた実感がわかない場合があります。半日ぐらいしてから効果が最大になりますので、気長に待ちましょう。

1時間程度で胸やけが緩和する期待を持つならタケキャブへの変更という手段もあります。

「症状が苦しくて辛い!今すぐ何とかしてほしい!」という方はタケキャブ向きであるとも言えます。

逆流性食道炎にタケキャブ20mgは効く?

マグテクトを併用する

1日1回と限られているので、もしネキシウムを飲んでも症状が緩和されない場合は中和剤(マグテクト)などを補助的に使うと良いでしょう。

マグテクトは、人によっては不味いと感じるかもしれませんが、微妙に甘みがあり、それほど飲みにくいとは感じないです。最も量がそれ程あるわけではないので、ゴックリと一瞬で飲むことができるでしょう。

「マグテクト」は、医師によって出す出さない個人差があります。ネキシウムだけでコントロールが不十分の場合は、マグテクトも希望して処方して貰うと良いでしょう。

気になる効果は、すぐに強い胸やけを抑えるとまではいきませんが、緩やかに症状を抑えてくれる様な感じはあります。飲まないよりは飲んだ方が少しは楽になるという感じです。マグテクトは、強い味方としてサポートしてくれると思います。

ただ、毎日継続して飲むものではなく、あくまでも症状が辛くて我慢できない様な時だけ飲むようにしましょう。

マグテクトの代替えとして牛乳も有効です。牛乳も胃酸を中和する働きがありますので、食間に胸やけが辛い時は牛乳を飲むと良いでしょう。

一つ注意として、マグテクトと一緒に牛乳も飲むのはNGです。マグテクトを飲んだら間隔を空けてから牛乳を飲む様にしましょう。

逆流性食道炎の中和剤マグテクト内服液の飲み方と副作用!

ガムを噛む

ガムを噛むことで唾液が出ます。ガムには唾液の分泌を促す働きがあるのです。その唾液は胃酸を中和する作用があります。

胃酸は酸性で、唾液は弱アルカリ性であるため、食道内の酸を中和してくれる働きがあるのです。また、唾液を飲み込むことで逆流してくる流れを押し込める点も、症状が緩和する理由となります。

ですから、食後や症状が辛いときは、ガムを20分とか長めに噛むことで胸やけが緩和することが期待できます。ネキシウムでカバーできない部分はガムを噛んで対処するのも一つの手です。

ちなみに焼き肉店などで会計後にガムを配られると思いますが、これは口臭対策のためだけでなく唾液の分泌を促して消化をスムーズにて胃腸の働きを整える事ができる様にする意味も含まれています。

逆流性食道炎にガムは唾液が胃酸を中和して有効?

食生活の改善

ネキシウムはあくまでのその場凌ぎの薬です。過剰な胃酸を抑制する事により、薬を飲んでから24時間は胃酸をコントロールすることができますが、薬の作用が切れれば、胃酸を抑えられなくなり、症状が出てきてしまいます。

大事なのは、薬だけに頼ろうとせずに、食生活も改善する事です。

胃酸を過剰に分泌する食べ物や飲みものが存在する事は事実ですので、何を食べたら症状が悪化するのかを自分自身で把握して、食べて良いものと悪いものの区別をはっきりとつけておくことが大事です。

好き勝手に食べたり飲んだりしていると、いつまで経っても薬から解放されずに、治療が長引いてしまいます。

・脂っこいものを控える

  • 豚カツ・豚角煮・エビフライ・唐揚げ
  • コロッケ・メンチ・天ぷら・鰻トロ
  • すき焼き・ステーキ・ハンバーグ・焼きそば

・甘いものを控える

逆流性食道炎になる人は、甘いものが大好きで毎日、何かしらの甘いものを食べる習慣があります。胃の中に食べものが入ると、胃は消化活動を行うと同時に、およそ15秒に一回の割合で動いて内容物を腸の方へ絞り出します。

しかし、甘いものに含まれている糖分が入ってくると、胃の動きがピタリと止まります。

これは「糖反射」と呼ばれています。

糖反射は、角砂糖5分の1個程度の少量の砂糖で起こります。砂糖が入る甘いものは、胃腸の働きを悪くしていますので、もし逆流性食道炎なのに甘いものを毎日食べているなら、一度辞めてみると症状が緩和する場合もあります。

  • 菓子パン・ケーキ・あんまん・まんじゅう
  • タルト・チョコレートクッキー
  • プリン・ドーナツ・アイスクリーム・飴

糖反射とは?砂糖と胃腸不調の密接な関わりについて

・胃の刺激となるものを控える

辛い物、酸っぱいもの、熱いものは一切やめましょう。間違いなく胃に悪いですので、胃をいたわりましょう。

胃の刺激となる代表例

  • カレー・キムチ・唐辛子・ワサビ・香辛料
  • たまねぎ・にら・にんにく
  • 酒・たばこ・コーヒー
  • 熱すぎる冷たすぎる食べ物飲み物・固すぎる食べもの
  •  

  • レモン・グレープフルーツ・みかん・オレンジ
  • パイナップル・キウイフルーツ

・消化の悪い食べ物を控える

消化の悪い肉

  • 霜降り牛・豚肉
  • 牛・豚バラ肉
  • ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉

肉は全てがダメというわけではなく、脂身が多い肉に限定されます。モモ肉やヒレ肉など脂身が少ない肉を選ぶようにすれば大丈夫です。

消化の悪い魚介類

  • いわし・まぐろ・さんま・さば・うなぎ
  • イカ・タコ・カマボコ類・干物・貝類

消化の悪い野菜

  • にら・ゴボウ・レンコン・キノコ類・大豆・トウモロコシ
  • オクラ・たけのこ・さつまいも・みょうが・せり・セロリ

消化・胃に悪い果実

  • ブドウ・梨・柿
  • いちご・ベリー類・キウイ・パイナップル
  • ミカン・オレンジ・グレープフルーツ
  • スイカ・メロン

消化の悪い豆類

  • 納豆、おから、がんも、油揚げ

消化の悪い卵料理

  • 固ゆで卵、目玉焼き、生卵

胃に優しくない飲み物

  • コーヒー・紅茶・炭酸飲料

胃酸過多の原因となる食品

胃酸を抑える食べ物ビタミンU野菜!