PPIの処方期間が8週までと定められている理由は?

プロトンポンプ阻害薬(PPI)は強力な胃酸分泌抑制薬です。

胃内の細菌叢や食物の消化吸収に大きな影響を持ちます。

その為、PPIを長期にわたって使用すると胃の消化吸収の妨げになったり、
胃の細菌や真菌の異常増殖を防ぐ妨げになったりする懸念があります。

人間にとって 胃酸は必要不可欠なものでありますので、
その胃酸を薬で無理やり抑えてしまうことは、何らかの弊害を生む可能性も否めないからです。


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また、PPIは薬としての歴史が浅いので臨床データに乏しい面も挙げられます。

PPIの副作用としては胃カルチノイド腫瘍や胃癌、大腸癌の発生、
鉄欠乏性貧血やビタミンB12の欠乏による貧血や神経障害があります。

現時点では100%の安全性は確立されていない実情があります。

これらの理由から8週以上にPPIを飲むことは少なからずリスクも
生じるという点が挙げられます。

確かな安全性を求めるがゆえに、期間を定めているということです。

PPIは8週以上でも処方可能?

逆流性食道炎のPPI投与後8週間の時点での治癒率は、80~90%と報告データがあります。

しかし8週間のPPI投与でも治癒が得られない逆流性食道炎も存在します。

その為、8週以上でもPPIを継続して飲む必要があります。

その場合は、「逆流性食道炎維持療法」又は「難治性逆流性食道炎」
病名開始日と病名を付け替えることにより継続して投与できます。

理想の流れは以下です。

1.逆流性食道炎の診断→PPI投与開始
2.投与期間終了→H2ブロッカーなどに変更
3.再燃するためPPIに戻す→維持療法の必要な難治性逆流性食道炎の診断

しかし、H2ブロッカーでは薬の効きが弱いため、
難治性逆流性食道炎の場合は悪化が懸念されます。

その為、PPIを8週以上でも途切れることなく継続するのが望ましいのが本音です。

PPIは8週までにけりをつけたい?

逆流性食道炎の治療で飲むPPI薬は、できれば8週までにけりつけたいところです。

8週までにけりをつける為には、薬だけに頼って治そうとするのではなく、
生活習慣の改善も心がけることです。

治らない大半の方の要因は生活習慣が悪いからです。
そこを改めない限りは、逆流性食道炎が付きまといます。

生活習慣を改善せずして、ダラダラと薬を飲み続けるのは望ましくありません。

具体的には、

・脂っこいもの、甘いもの、刺激となるもの、消化の悪いものは控える
・お酒・たばこをやめる
・食べ過ぎない
・食べた後すぐ横にならない

・お腹をしめつけない。ベルトやゴムは緩くする
・肥満・便秘の解消
・前かがみは避ける、猫背にならない背筋を伸ばした姿勢
・寝るときは上体を高くする


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タケプロンの処方期間

胃潰瘍、吻合部潰瘍→8週間まで(30mg)
十二指腸潰瘍→6週間まで(30mg)
逆流性食道炎→8週間まで(15mg)
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法→長期可能(15mg、30mg)
非びらん性胃食道逆流症→4週間まで(15mg)
低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(15mg)
非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(15mg)

パリエットの処方期間

胃潰瘍、吻合部潰瘍→8週間まで(10mg、20mg)
十二指腸潰瘍→6週間まで(10mg、20mg)
逆流性食道炎→8週間まで(10mg、20mg)
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法→長期可能(10mg)
非びらん性胃食道逆流症→4週間まで(10mg)
低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(5mg、10mg)

オメプラールの処方期間

胃潰瘍、吻合部潰瘍→8週間まで(20mg)
十二指腸潰瘍→6週間まで(20mg)
逆流性食道炎→8週間まで(20mg)
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法→長期可能(10mg、20mg)
非びらん性胃食道逆流症→4週間まで(10mg)

ネキシウムの処方期間

胃潰瘍、吻合部潰瘍→8週間まで(20mg)
十二指腸潰瘍→6週間まで(20mg)
逆流性食道炎→8週間まで(20mg)
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法→長期可能(10mg、20mg)
非びらん性胃食道逆流症→4週間まで(10mg)
低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(20mg)
非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(20mg)

タケキャブの処方期間

胃潰瘍→8週間まで(20mg)
十二指腸潰瘍→6週間まで(20mg)
逆流性食道炎→8週間まで(20mg)
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法→長期可能(10mg、20mg)
低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(10mg)
非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制→長期可能(10mg)