逆流性食道炎の治療は、薬と生活改善が主な治療ですが、
薬を長期に使っても、また生活改善を余すことなく改めても、
治癒が全くみられない場合は最後の手段として手術があります。

できれば誰だって手術を受けたくありません。
安易に手術をする事は望ましくありません。

生活改善の部分で、本当に改善すべき余地はなかったか、
また薬は適切であったかどうかなど、やれることは全てやる必要はあります。


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食道狭窄や出血、バレット食道になっているなど、
緊急をよおさない限りは、薬と生活習慣の改善で、
頑張って治していく方向で良いとは思います。

逆流性食道炎の手術適応の基準は?

・薬を用いても、逆流症状が改善しない場合

最強の胃酸抑制剤を飲んだ上で、生活習慣にも注意しているのに、
一向に辛い症状から解放される見通しがない状況の場合は、
手術も選択肢の一つになります。

・年齢的なもので薬や生活習慣改善では治療が難しい場合

年齢とともに蠕動運動が少なくなり、
逆流したものを胃に戻す力も低下している場合です。

・治療期間が長期化して食道の炎症を繰り返している場合

食道の炎症が繰り返されると、食道癌になる恐れがあるため
手術によって、食道癌に進行するのを阻止しなければなりません。

・Barrett(バレット)食道が存在する場合

逆流性食道炎が原因で、胃酸が食道に逆流すると
食道粘膜が胃粘膜に近い粘膜に置換され、
この粘膜をバレット粘膜といいます。

逆流性食道炎の合併症とも言われており、
逆流性食道炎を治療しなかったことが要因とも考えられ、
さらに放置しますと、食道癌を引き起こす可能性があります。

バレット食道を放置することは非常に危険な状態なので、
一刻も早く対処しなければなりません。

バレット食道は、このバレット粘膜の大きさによって定義されています。

バレット食道は食道腺癌(バレット腺癌)の前癌状態と考えられており、
バレット腺癌治療後の5年生存率は、 25%以下と低いことから、
早期治療が必要となります。

・狭窄、出血など、食道炎の程度が重症の場合

短食道(炎症が原因で食道が短くなる)や食道狭窄(炎症が原因で食道が狭くなる)
といった合併症を併発すると手術の難しさが格段に高まります。

食道を切除しなければならない患者さんも出てきます。
このような合併症を併発する以前に手術を行うべきです。

なお手術を受けても術前の長い期間に食道が受け続けた
刺激の影響(食道粘膜の変化)は手術をしたからといって
消え去ることはありませんので、
炎症がある場合は手術後も定期的な内視鏡検査で経過観察が必要です。


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・将来のある若い人

プロトンポンプ阻害薬が効果的であるため、
いきなり手術ということはありません。

しかし長期にわたり内服を続ける必要がありますので
若い人は手術をして薬をやめるのも選択肢の一つです。

胃酸抑制剤を5年10年と飲み続けている人もいるのは事実です。
薬で胃酸を抑えている限りでは、食道の炎症がすぐに進行していくことは考えにくいです。

また、1年に1~2回の胃カメラで食道や胃の状態を確かめておけば不安も少なくなるでしょう。

どちらの道が正しいかは、最終的には本人の意思次第です。

逆流性食道炎の手術費用

逆流性食道炎のの手術は保険適用となっている手術です。

3割負担で10万円~27万円程度です。

費用は、病院、入院期間・処置・部屋等により変わります。

また、高額療養費制度が適用可能なため、
医療費のうち自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます。

逆流性食道炎の手術時間と入院日数

手術は、全身麻酔にて行います。
手術時間は60~90分程度です。

2泊3日の入院となります。

仕事は早くて退院の翌日から大丈夫で、
大事をとって休むなら退院後1週間程度です。

手術による安静期間はほとんどありません。

逆流性食道炎の手術後

手術して終わりではなく、その後の経過を確認するために通院は続きます。

手術を受けた大半の方が、症状がなくなり薬なしで普通に食べられるようになります。

ただし、手術を受けた全員が完治するわけでなく、中には少量の薬を服用し続ける方や
全く変わらない方もいます。

なぜ完全に治らない場合があるのかといいますと、手術は胃食道逆流が
起こらない仕組みを作りながら、なおかつ食道から胃への食物の通過は
損なわないようにという微妙な手術をするからです。

それにより、多少逆流傾向が残ったり、逆にわずかに通りにくさが
生じたりすることも起こります。

今のところ完治するのは手術を9割と言われております。

手術後の後遺症として、ものが飲み込みにくいと感じる方もいますが、
1ヶ月も経過すれば、その様な症状は消えていきます。